ICT / SMCとは何か:「機関投資家の足跡を読む」思想
SMC(Smart Money Concepts)とはマイケル・J・ハドルストン(通称Inner Circle Trader、略してICT)が提唱したトレードの概念体系だ。「スマートマネー」とは銀行・ヘッジファンド・大手機関投資家など、市場を実質的に動かしている巨大資本のことを指す。
FX市場の参加者の95%はスマートマネーだと言われている。つまり個人トレーダーがインジケーターで「買い!」と判断している時、機関投資家はその反対側でポジションを積んでいることが多い。SMCはこの「機関投資家の行動パターン」を理解して、彼らの動きに乗っかるための思想だ。
市場は「スマートマネーが個人投資家の注文を利用して自分のポジションを構築する場所」だ。個人が損切りを置く場所(安値の少し下・高値の少し上)こそが、機関投資家がポジションを積みやすい「流動性プール」になっている。
SMCの主要概念①:マーケットストラクチャー(市場構造)
SMCではまず「相場が今どの構造にあるか」を判断することから始める。価格が高値と安値を切り上げているなら「強気構造(Bullish Structure)」、切り下げているなら「弱気構造(Bearish Structure)」だ。

HH(Higher High)高値切り上げ
HL(Higher Low)安値切り上げ
LH(Lower High)高値切り下げ
LL(Lower Low)安値切り下げ
SMCの主要概念②:オーダーブロック(Order Block)
オーダーブロック(OB)はSMCで最も重要な概念のひとつだ。大きな価格変動(インパルスムーブ)が始まる直前の最後のローソク足がオーダーブロックだ。機関投資家がここで大量の注文を置いたために価格が急激に動いたと考える。価格が戻ってきたとき、このゾーンで再び機関投資家が追加注文を入れるという仮説に基づいてエントリーする。

オーダーブロックゾーン
エントリーポイント(OBへの戻り)
SMCの主要概念③:FVG(Fair Value Gap / 公正価値ギャップ)
FVG(Fair Value Gap)は「3本のローソク足の間に生まれた未充填の価格帯」のことだ。急激な価格変動が起きると、通常の取引が行われなかった「ギャップ(隙間)」が生まれる。相場はこのギャップを「埋めに戻る」傾向があるため、FVGはエントリーポイントや利確ポイントとして活用される。

FVGゾーン(公正価値ギャップ)
FVG内でのエントリーポイント
SMCの主要概念④:流動性(Liquidity)とストップ狩り
SMCで最も「腑に落ちる」概念がこれだ。多くの個人トレーダーは「直近安値の少し下」にストップロスを置く。機関投資家はこの「みんながストップを置いている場所」を知っていて、意図的に価格をそこまで動かしてストップを刈ってからトレンドを作ることがある。これが「Liquidity Sweep(流動性スイープ)」だ。

流動性ライン(個人のストップが集まる場所)
スイープ後のエントリーポイント
SMCのトレード手順まとめ:実際にどう使うか
SMCは「特定のインジケーター設定で自動シグナルが出る」ようなものではない。マーケットストラクチャー・OB・FVG・流動性などの概念を組み合わせて、自分のトレードルールを作ることが求められる。習得には時間がかかるが、これを理解すると「なぜ相場がそう動くか」の解像度が根本的に上がる。まずデモ口座で1〜3ヶ月かけてじっくり体で覚えることを強く勧める。
